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Romance夢紀行

Romance夢紀行

Diamond Fire/イローナ・アンドルーズ あらすじ

2019.11.9 更新

※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

【管理人メモ】ローガンのお母さん側の親せき。簡単な家系図が本にも載っていたのですが、文字が小さくて見にくく、途中から作中で関係がわからなくなってきたので、自分のメモを見ながら読んでいました。兄弟の年齢順など間違っていたりするかもしれませんが、ご参考まで。(さきほどあらすじを書くのに8章を読み返したら、責任者マティンになっているので、アローサの長兄はマティンかも。イーニゴと入れ替えてみてください。誤読でなければ、ミケルは4人子供がいて、ツォリオンには2人子供がいるとあったのですが、名前が出てきていなかったで空白です、あとミアとエルヴァが第何子なのかという記載もたぶんなく、そこも不明です)





プロローグ ネバダ

自宅兼職場の倉庫の台所で朝食を食べているネバダ。アラベラがどうしてここにいるの?昨日出て行ったばかりなのにと声を掛けます。ベイラー家成立のためのテストから3日、猶予期間も終わってしまい、これからコナーのお母さん、つまり未来の義母に会いに行くことになり、ネバダは緊張しているようです。祖母がネバダはストレスがあると食べるタイプだからね、緊張しているんだろ、と合いの手をいれ、母が二人ともネバダを放っておいてあげてとたしなめてくれます。色々考え始めると自分の部屋に駆けこんで鍵をかけてしまいたくなりますが、もう自分の寝室はカタリーナに譲り渡してしまい、この家にはないのでした。コナーから電話がかかってきて、面白いものがあるから家の外に出てきてみろと言われます。

玄関を出るとコナーが車に寄りかかり待っていますが、その横には青いマセラッティが停まっていて、以前ネバダの寝室だった窓の下にアレキサンダー・セグレドが立っていて、なにやらカタリーナとやりあっています。「距離と時間をおいてくれたら魔法は消えるわ」というカタリーナに、「単にちょっとしたドライブに誘っているだけだ、僕は」

ネバダはコナーにセグレドがカタリーナのインスタをフォローしたこと、彼はマスコミの寵児で沢山のフォロアーがいるにもかかわらずフォローしているのは3人だけ、それですぐにカタリーナはインスタ自体を削除してしまったことを説明します。彼女の魔力の副作用ともいえますが、カタリーナは自意識が強く、セグレドが超絶ハンサムなだけでも持て余しているのに、伯爵だと知れば、もっと殻から出てこなくなっちゃう。私たちにできることはないから、行きましょう、とネバダはコナーに声をかけ車に乗りこみます。コナーがあの窓は気に入らないんだよな、と物を動かそうとしたので、やめてちょうだいとぴしりと制して、その場を去ります。

コナーのお母さんが住んでいるのは、10部屋の寝室、2つのプールなどがある郊外の豪邸でした。大きい家はお母さんの好みだそうです。あなた一人っ子だったわよね?とコナーに聞くとそうだとのこと、母親の寝室と俺たちの寝室を除いた残り8室は孫たちで埋め尽くしてほしいと思っているからだそうです。車が止まった後でも外にでる勇気がなかなかでないネバダ。コナーにキスをされ、我を失ってから、高解像度セキュリティーカメラの存在を思い出し、思い切って車の外に出ることにします。

お屋敷の中は外と同様に素晴らしいものでしたが、ほとんど最低限の家具しかないコナーの家に比べて家具自体は手の込んだ品のものの、すっきりした印象です。出迎える人はなく、コナーはずいずいと家の中に入っていき台所に向かいます。ネバダは内心義母の戦略かとも考えたものの、息子が母親の家に行けば、冷蔵庫を開けてみるのが習性というものだろうと考え直し、台所のカウンターのスツールにすわり、何か飲むかと聞かれてお茶を頼みました。

車輪のモーター音が聞こえてきて、コナーの母親アローサが現れました。コナーは自然にやあ、母さんとあいさつしていましたが、ネバダはどういう風に接したらよいのか戸惑いながら挨拶します。コナーのお母さんは車いすでした。

バルコニーに場所を移したお母さんからネバダは、彼らの結婚は最初は遺伝子のマッチングの結果をみて彼女に会いに来た父親の行動がきっかけだったけれど、会った瞬間に恋に落ちたこと、性格は全然違ったけれど話していて自然に感じられたことを聞かされます。アローサの実家は超一流の祖父がなくなって家ではなくなってしまった家系だったので自分の子供に超一流を作り出すことを期待されていたため、最初彼女の父はローガン家からの申し出を断ったそうです。ところが彼女自身と会話を重ね、再度彼女の父に結婚の申し出をしたところ当時のローガン家の財産4分の3相当の金額を要求され、ローガンの父ウィルはそれに同意したそうです。アローサは父の書斎に呼ばれ、お前は金で買われたからローガン家に行けと言われました。ウィルは彼女の意思は確認しないのですか、と抗議しますが家のためにこいつは行動すると父はいい、ウィルは彼と縁を切ったそうです。

ローガンが3歳のころ、ウィルに対して暗殺計画があり、彼をかばって彼女は車いすになってしまったようです。本来なら超一流のローガン家は跡継ぎの確保のため、離婚するところでしたが、妻を愛していたウィルはそうせず、コナーは一人っ子となりました。彼のことが今でも恋しい、彼と話をしているのと話すアローサに、自分の将来の姿をみる気がするネバダ。超一流は危険と背中合わせ。コナーと結婚しても、それが数日のことなのか、数十年続くのかはわからないのです。

あなたはコナーとの遺伝子の組み合わせの相性はよくないでしょうし、コナーもコナーの子供たちも危険にさらされるわと危惧するアローサに、ネバダは自分はテレキネシスではないかもしれませんが、もしも攻撃されたらコナーと子供たちのためなら何でもします、攻撃者の気持ちをかえて見せます、もし彼らに感じる心が残っているならですけれど、と話します。アローサはネバダに自分が結婚に反対するとしたらどうする?と聞いてきます。ネバダはいい義理の娘になれるよう努力します。私はコナーを愛していますし、反対があっても結婚しますと宣言したところにコナーが母さんの拷問は終わりましたか?と言ってコーヒーカップにいれた紅茶を持ってきてくれます。

アローサは彼女のことが気に入ったわ、とコナー言ってネバダが戸惑います。彼女とはどうやって知り合ったの?と聞かれたので、ネバダが「誘拐されて、床に鎖でつながれて拷問されたんです」と暴露してコナーに復讐しますが、コナーはうまく母親の気をそらさせ、結婚式の方向へ持っていきます。数週間のうちにというと、親せきのことを考えてと言われます。ネバダはコナーにはほとんど親せきがいないと考えていましたが、実際には母方の親せきが祖父や4人の伯父を筆頭にスペインにたくさんいるようです。コナーはそちらの親せきとは折り合いが悪いようで、気に入ったおじさん二人くらいを呼べばいいかな、だって他も呼ぶならケリーを呼ばなくちゃならないだろうと因縁の親せきの名前を出します。

アローサは、コナー、あなたはネバダとの結婚をお試し的なものだと考えているのとたしなめます。幸運に恵まれれば一生に1回の出来事なのよ。あなたの結婚は公式な行事です。そうね、日取りは今日から3か月後、それくらいの猶予があれば招待者のみなさんも予定を再調整できるでしょう、当日はネバダは言葉にならない美しいウエディングドレスをまとい、あなたはタキシードを着る。親せきや友人たちの前で愛を誓い、キスをして、私は美しい出来事だったとウィルに報告するの、私の言ったこと、理解できたかしら? とびしっといわれ、コナーは「わかりました、お母さん」としか言えませんでした。

第1章 カタリーナ
2か月2週間後。カタリーナは近々親戚になるアローサの屋敷に来ていました。結婚式は母親の屋敷で行い、コナーの屋敷は結婚式の騒ぎは持ち込まない、とコナーが宣言したので、二人は逃げ場が残されましたが、屋敷には20~30人くらいの地中海人の12歳以下のちびっこギャングたちがかたまりでかけ回り、上へ下への大騒ぎです。ギャングが走り去った後幼い女の子が残っていて、カタリーナにミア・ローザと自己紹介します。自分の持っているぬいぐるみのユニコーンのサファイアを差し出し、この子に魔法の石をもっとくっつけるためのキラキラする接着剤がほしくて、お母さんにいったらあのお姉さんにお願いしなさいって、というのでわかったわと頼まれてあげます。カタリーナとアラベラはプライムとして認定されていますが、その記録は隠されているため、事情を知らない親戚たちは、お金のない花嫁サイドの若い親せきが結婚式の手伝いに来ているのか、という程度の認識でいるようで、下にみられているようですが、カタリーナは贅沢なお屋敷より慣れた自宅にいたいと考えています。

ウェディングプランナーをネバダが2人解雇してからは、無事に結婚式を挙げられるよう、カタリーナとアラベラが結婚式の手伝いをすることになりました。普段は極めて合理的な姉なのに、ベイラー家として認定後初めての依頼がナイチンゲール家からあったため、事務所のほうで1件案件を抱え、不条理さを爆発させる花嫁に変身してしまっています。アラベラから連絡があり部屋に向かうとネバダがドレスの仮縫いをしていて、結婚式のテーマはピンクと白なのに、カーネーションがメインのブーケに青いライラックを入れたいと言い始めました。アラベラもカタリーナも結婚式のテーマは白とピンクとセイジ色と決めたんだし、そこに青は入っていないからダメと反対しますが、ネバダは聞く耳を持たず、あなたたちなんて大嫌いとお互いに言い合って話し合いは決裂してしまいます。

第2章
アローサに書斎に呼ばれたカタリーナ。本棚から出してきた家族アルバムでひいおばあちゃん、おばあちゃん、彼女のお母さん、彼女自身の結婚式の写真をみせてもらい、彼女たちの頭には大きなアクアマリンが中央に輝く海の光、シーライトティアラが光っていました。カタリーナはついネバダにもつけさせてもらえるんでしょうか、と聞くとそのつもりだったんだけれどティアラが消えてしまったと告白します。

セキュリティはコナーの部下たちが設置していたようですが、屋敷内は他人にプライバシーを観察されるのをいやがったアローサが電源を切った状態でカメラを設置していただけのようです。結婚式の準備で不特定多数の人間が出入りしており、ネバダが取り調べるにしても数時間以上はかかります。ただアローサはこの件からはネバダとコナーに遠ざかっていてほしいからカタリーナに話をしたと言います。宝飾品は自分がかなりの時間をすごす書斎の奥の重い戸棚を念動力で動かせないと犯行に及べなかっただろうということを考えるとたぶん身内の犯行だろうけれど、ネバダには結婚前から親せきとよくないスタートを切ってほしくないし、コナーに事情を話したら、一人一人上下さかさまにして尋問するにきまってる。カタリーナはその光景を想像すると笑ってしまいそうでしたが、コナーには事情を話すこと、調査のためにカメラを邸内に設置することを主張し、アローサも了承します。またネバダが以前他の顧客に対して告げていたように、カタリーナもアローサに調査することで一族にとって不愉快な秘密が表ざたになることもあるかもしれないと警告します。アローサは一族のメンバーに恥をかかされることは容認しても、裏切りは許さないと宣言します。

第3-4章
カタリーナはセキュリティのために一人での移動を禁止されていて、自宅へアラベラと一緒に車で運転して戻ります。車を出そうとすると、グザビエという若いハンサムなコナーの親せきの一人が寄ってきて、アラベラが面白がって彼女側の窓を下げたためにお互いにぎこちなく自己紹介します。カタリーナは一度自分に懸想した男性がエスカレートしてしまってキモい状況になってしまい迷惑させられたこともあり、自分の魔力が無意識にもれないよう厳重に注意して生活していて、また同じようなことが起こらないよう家族以外の若い男性には警戒心を高く保っています。家族以外は彼女自身のことを好きでいてくれる人はいないんじゃないかと感じてしまっています。もう少しで卒業する高校では追い立てられるように勉強していてSATは1580と全米で上位1%の成績を取っていて、どこの奨学金でも取れるのですが、大学に進学するかどうかは、母親のお金と自分の時間を無駄にすることにならないだろうかと、躊躇しているようです。アラベラは自分が孤独でいたいならいいけれど、魔法によって孤独にさせられてしまっているなら自分によくないと忠告します。グザビエやサグレドのように彼女を知ろうとする人を、知り合う前に拒絶してしまったら、どうやって相手はカタリーナの内面を理解できるっていうの?と。カタリーナは以前サグレドの写真を一目見て魅入ってしまっていました。あんな人が私に興味を持ってくれるなんて、あるはずがないわ。でもアラベラの言うことも悔しいけど一理あるから、グザビエとは少し話してみる努力をしようと決めます。

コナーの屋敷にいくと、部下のトロイが出迎えてくれ、アラベラは用意されていた食事を食べに台所へ向かい、カタリーナはコナーと話しに書斎に向かいますが、途中バグがグザビエの情報を冷やかし半分に教えてくれます。コナーは結婚式のことで話をしにきたのかと思ったようですが、カタリーナがティアラが行方不明になったことを告げると、すぐに親族のことを罵り、疑わしい親戚とそうでない親戚を数え上げていきます。カタリーナはネバダにこの件を伏せておくこと、疑わしい人もそうでない人も調べるつもりということと、また邸内にカメラを設置することをアローサに承諾してもらったことを話します。彼女がこちらの仕事を頑張るのでコナーにはネバダのブーケに青いライラックをいれないよう説得してほしいと頼み、取引成立です。

帰宅したカタリーナは食堂のテーブルでコナーからもらった親族たちのプロフィールなどをチェックし、その横でアラベラは結婚式のケータリング会社のメニューをチェックし、バーンは小さいカメラをいじりレオンは銃の分解、手入れをしています。カタリーナは、犯人の動機は何だろうと考え、家族にも話してみますが、アラベラとおばあちゃんにグザビエのことをからかわれ、頭にきて部屋で仕事をすることにします。

邸宅に戻ったカタリーナは変装したコナーの副官リベラと一緒に、アローサの半分だけ兄弟である3人とその子供たちに割り当てられた棟にカメラをしかけていると、グザビエがカタリーナに声をかけてきました。話でもしようと誘われ、情報収集もできるかと考え、リベラにあとを頼んで庭を少し散歩することにします。タブレットでリベラには彼に疑われているといけないからカメラの隠し場所をかえてと指示しています。途中、同じ年ごろにみえる3人の滞在客の女性たちと行きあいますが、失礼なことを言われます。グザビエがかばってくれ、その場を離れます。タブレットに着信があったことを感じて、グザビエと離れることにしますが、グザビエが楽しかった、また会ってほしいといわれ、カタリーナも情報の収穫もあり、会話は本当にはかみあっていなかったけれどやり取りはできて、ある意味楽しかったと感じているようでした。

第5-6章
カテリーナはケータリングサービス会社のヴァレンティナから問題が起こったと携帯に連絡が入り、レオンと一緒に駆け付けます。ヴァレンティナの他に従業員は4人という小さなレストラン兼パン屋さんです。他にも大きな規模の会社の面接を行いましたが、アローサがここならということでお願いすることになっています。当日のウエイター、ウエイトレスはセキュリティの関係でローガン家が直接雇う手はずとなっています。

ローガンがこのレストランのセキュリティの手配をしたはずですが、今朝出社してみると誰かに押し入られていたとのことです。店のなかは片付いていましたが、うっすらとワインの香りがします。カテリーナたちはヴァレンティナと従業員チーフに話を聞くと、小さな窓のセキュリティセンサーを開閉のために外していたとので町でブラブラしている若いものがやったんだと言います。店に置いてあった1本220ドル相当のシャンペンを250本ほどもっていったそうです。カタリーナはセキュリティカメラでフードをかぶった3人の男が侵入しているのを確認しますが、彼らが迷わずカメラに冷蔵庫にあった生クリームを塗りつけて、シャンペンを割り始めているのをみておかしいとおもいます。さらにレオンがシャンペンの瓶を試しに割ってみると、何度もたたきつけないと割れず、時間も労力もかかることがわかります。

なぜ一族に関係する事件の可能性なのに警察を呼んだのか、証拠が残っているはずの現場を掃除してしまったのか、カテリーナはヴァレンティナたちの責任を強く追及します。パソコンの履歴からウェディングケーキのデータが見られていることがわかります。ケーキへの細工が疑われるとローガンに連絡すると、リベラが毒が専門の一族の超一流を店に連れてきました。カテリーナと同じくらいの年頃、真っ白な肌に赤毛、ルナ・エッターソン、毒の超一流よと自己紹介して握手のため手を伸ばしてきます。躊躇しますがベイラー家のカタリーナよと握手すると、大丈夫火曜日は知らない人をたまに毒殺するだけだからとからかってきます。冷蔵庫の材料をみてもらうと、毒が仕込まれていることがわかります。この種類の毒を使うっていうことはターゲットに相当な恨みをもつ冷酷な人物だと思うと話します。カテリーナはケーキを食べるローガン、ネバダ、彼の母、それに招待者全員が無差別に殺されていたかもしれないと考えると毒を浴びたような心地になります。

バグに調べてもらうだけでは時間がかかり過ぎてしまうため、カテリーナは自分の魔力を使って、従業員のひとりから背後にいる人物を聞き出そうと決めます。彼女の能力はセイレーンと呼ばれることになりましたが、伝説では人魚の姿で描かれますが、実際にはセイレーンとは羽のある存在だとカテリーナは考えています。彼女はいつも魔力の羽を自分のなかに押し込めて暮らしていますが、羽を出すことに努力は必要ないのです。

カテリーナは生まれた病院の看護婦さんに攫われそうになったのを皮切りに、何度も危険な目にあってきました。自分の能力が完璧にコントロールできるとはっきりする高校まで自宅学習でした。自分の魔法をコントロールする練習をずっとしてきましたが、実践で魔力を使うのは初めてです。

強盗事件の事情聴取と聞かされ、店に呼び出されたジェレミーというスタッフ。カテリーナは少しだけ魔力の羽を伸ばし、羽から細く伸ばした筋を彼に一瞬つなぐだけで、彼の注意は彼女に向き、ベラベラ話しはじめました。彼が超一流を嫌っていて、ある女性に預ける品をケーキの砂糖衣に混ぜてほしいといわれ、多額の報酬をもらった。弟と友達に手伝ってもらったけれど、肝心なお菓子作り自体は自分がやったんだと告白します。カテリーナがある女性の写真をみせると頷きます。カテリーナが歌を歌い、彼が唱和すると、彼はガクっと頭を落として眠り込み記憶を失っていました。目覚めてすぐ一般的な聴取をおこなって彼自身は何の疑問もなく帰っていきました。

しばらくみんな無言でしたが、荒々しい気持ちが沸き上がってきたカテリーナはルナに手を差し出しました。「私はベイラー家のカテリーナ、超一流のセイレーンよ」私の頭からは離れていて、というルナに私の知り合いを毒さないでくれたら、私も手出しはしないわと返します。

犯人側に疑われることのないよう、強盗だったと信じているふりをするために店には警備員を置き、おそらくウエイトレスとして披露宴会場に入り込もうとする犯人に注意を払い、ヴァレンティナたちとは守秘義務の契約をかわすことにし、その場を後にします。

アローサの屋敷に戻る途中、バーンから連絡が入ります。どこかに車を停めて確認してほしいデータがあるとのこと。そのデータには、グザビエがカテリーナと別れた後、親せきの子たちの元に行って話しています。

アドリアーナは「彼女は素敵な子なんだから放っておいてあげて、あなたの本性が蛇だなんて知りもしないんだから」と言っています。グザビエは「お前に何ができるっていうんだ、彼がもし結婚したとしたら、俺たちがもらう金がどうなると思っているんだ。エルバ、説明してやれ。」「ローガンは危険な生活を送っている、危険な敵も一杯。彼はもう30くらいで初めて結婚しようとしているけど、母親は車いすで父親は暗殺されてる。彼が狂人だってみんな知ってるし。婚前契約なしで結婚ようとしてる。」グザビエは、「彼が結婚後に死んだら、彼女がぜんぶ持ってって、俺たちはゼロ。じいさんたちの世代は毎年1-2億ドルの家族の信託で暮らしてた。おやじたちは仕事をしなくちゃならなかった。もしじいさんたちが死んで、親世代が信託を使い始めたら、もっと金が減るぞ。俺たちは仕事をしなくちゃならなくなる。もしローガンが結婚しないで死ねば、アローサは年寄りだし、俺たちが相続人さ。ただ待てばいい。ただし妻と実子の相続人がいない場合に限る。」アドリアーナが「何をするつもりなの、結婚を妨害するつもり?」と聞くと、「ベイラー家の記録をみたら、尋問者とパズルの魔力があって、それ以外は封印されていた。たぶん大したことないだろ、だれがすごい能力を世間から隠したいっていうんだ、残りはクズだよ。カテリーナをみたか、タブレットに鼻をつっこんでネズミみたいじゃないか。彼女が超一流だって? 勘弁してくれよ。超一流のオタクに決まってる。あのタブレットを盗めばあいつらの秘密がわかるかも。」アドリアーナとサマンサは彼に反対してその場を離れますが、残ったエルバは彼女たちは何もできないわよと笑います。

レオンは激怒してあいつを撃ってやる!と息巻きますが、カテリーナも涙を流しながら、激怒していました。私たちに秘密はないけど、あいつらにはあるはず。ひとつ残らず暴いてやるわ。

自宅に戻ったカテリーナはバーンと一緒に監視カメラの画像を見ながら、親せきたちの行動を確認していきます。グザビエのこと、好きだった?とバーンに聞かれ、それほどでもと答えるカテリーナ。『アレッサンドロ・サグレドに会ったとき、私は魔力の羽を思いっきり広げて全力で彼を幻惑したかった、そうしたら彼は永遠に私のもの。彼のことが本当に好き、だから彼をわたしに縛り付けられない』

第7-8章 カテリーナはマリアに魔力を使い、夫ミケルが男性の秘書と関係を持ったことがあり、いまもルシアンという親戚の男性と逢引きをしているのではと疑っていると教えてもらいます。アローサに確認を取ると、その秘書は実はミケルの若い時にできた隠し子だったと説明してくれました。アンの恋人にも事情を聞かないと思っていると、本人がやってきてマリアに魔法をかける様子を見ていたようです。カテリーナは開き直り、いくら調べても身元がわからなかったんだけれどあなたは誰?と聞くと、彼がエスコートサービスの社員で、今回は再婚を望まないアンに頼まれて恋人のふりをしていると説明してくれます。トロイに自宅まで送ってもらおうと帰り始めると、親せきの男性陣でフェンシングをしていたグザビエに見つけられてしまい、しつこくフェンシングに誘われます。女性陣は近くで観戦しています。衆目を集めているこの事態にカテリーナはキレます。グザビエはレッスンに通っている雰囲気で、カテリーナにはフェンシングの経験はなかったものの、嫌悪が自分の魔力と混ざり、世界はグザビエと自分だけのように感じられました。レイピアは軽く感じられ、手の延長のよう。あっという間に一本、本気のグザビエを翻弄し、頭にきた彼はカテリーナの顔を突き刺そうとしますが、踏み込んで、刀で切り結び押し合いお互いの顔が近づくと、グザビエが頭突きしてきました。

他の親戚たちが飛んできましたが、グザビエは怒り狂うアローサの魔力で突き飛ばされ、滞在中は呼ばれない限り部屋から出ないように、と命令され、彼の両親が本当に申し訳ない、息子は若く愚かだ。私たちは尊敬に値しないとカテリーナに謝罪します。アローサも、こんなことになって本当にごめんなさい。許して、と言ってくれます。できるだけ早く門に向かったカテリーナは門のところで車のそばにいるトロイを見つけます。なんでこんなに時間がかかったの?というと、彼はティアラを見つけましたと言ってダッフルバッグを膝に乗せてくれます。中にはハート型のアクアマリン石が外れたティアラがありました。

帰宅したカテリーナが暗い部屋のなかでセキュリティカメラの画像をみていると、母親がやってきます。なんで暗いところで座っているの、と声をかけてきてたんこぶをみて絶句します。大学に行きたくない、とカテリーナは話しますが、意外にもお母さんは怒りませんでした。誰かがネバダの結婚式のケーキに毒を入れて、お金をもらって誰かのふりをしようとしている人はいるし、剣で喧嘩もしたわとカテリーナがぶちまけると、勝ったの?と聞かれて負けなかったわ、相手はズルをしたし、とカテリーナ。それに魔法を使って相手に秘密を話させることができたし、そのことを忘れさせることもできた。私はネバダやヴィクトリアおばあちゃんと同じよ、強制しないだけ。お母さんは抱きしめてくれ、いい人間に育てようとやってきて、あなたは優しくて頭がよくて正しくないことをみたら事態を正そうとする人になってくれた、それって両親が子供に望めるすべてじゃないかしら。あなたの人生なんだから、みんなそれぞれの道をいくのよ。

バーンもやってきて、ルシアンとミケルの金銭的な恐喝が過去にあったことをほのめかすようなこそこそした話し合いの映像と、ミケルがかえったあとにルシアンに呼び出され、もう関わらないでとその場を去っていったエヴァの会話も興味深いものでした。ルシアンたちは以前付き合っていたようです。ルシアンはハンサムな男性ですが、彼の暗めの髪の色と独特なあごのラインは誰かを思い出させたため、ローガンに電話してスクロール社にローガン一族のあるメンバーの遺伝子検査をお願いできるかきくと、ローガンが手配すると言ってくれます。イザベラが処方薬でエルバから金を巻き上げているシーンも撮影で来たとバーンが言います。めちゃくちゃな一族だわ。もう少しと思い、ひとりで画像をチェックしていたカテリーナは、ちびっこギャングたちがホールを駆け下りてきて、アローサが微笑みながら車いすでついていき、ミア・ローザがユニコーンをひきずってついていく様子が目に入ってきます。カテリーナはくたくただったので、ほとんど見逃しそうになりましたが、あることに気付き、ヒステリックな笑いをあげてしまい、お母さんにベッドに追いやられてしまいました。

カテリーナがタンコブを作られてから2日後、正式にナイチンゲール案件は終了し、翌日はリハーサルディナーです。カテリーナはローガンの屋敷に出向き、調査の過程で分かった親戚の秘密をどう扱いたいかと確認します。はっきり言って不愉快な事実のため、全員の前で暴露するのがいいか、ローガンとアローサだけにとどめておくのがいいのか。あなたたちに恥をかかせたくない。ローガンはプライバシーより一族の安全を優先してくれ、と指示します。

カテリーナは両家の親族が揃い、ヴァレンティナがバーベキュー料理を用意したカジュアルなリハーサルディナーの場で、登壇します。彼女は花嫁付添人なのです。大きなスクリーンも用意されています。まずシーライトティアラが紛失していて、いまはアクアマリンだけがないことを発表し、現物が展示されます。この調査の過程でいくつかのわかった事実を発表します。

イザベラは処方薬で稼いでいて、エルバと他の二人の子供たちや親せき買いの子供たちに手伝わせています。これが証拠の映像です。調査機関はこの事実を把握していて、子供たちの行状は警察に送られます。マリア、あなたの夫はバイではありません。彼は自分のベンチャー企業から使い込みをしていて、セキュリティを担当している会社のルシアンに気付かれ、それをネタに恐喝されていました。ローガンは暴露を楽しみ、アローサはこめかみをもみ、ネバダはこっそりvサインを送ってきました。
大きなスクリーンで噴水でのグザビエの映像が流れ始めます。どうやって相続するのかというくだりになると、会場は静まり返りました。グザビエの顔には嫌悪が浮かんでいます。「あなたの計画が、どうしてうまくいかないかわかる?」とカタリーナが問いかけ、ルシアンとエヴァの写真をスクリーンに映し、つづいてスクロール社の書類が表示されます。この滞在期間中の責任者であるマティン氏の許可により、レイピアに付着していたあなたの血液で99.999998%の確率であなたはこの二人の子供です。つまりローガンとは血縁ではないので相続の権利がありません。「うそだ! ママ、嘘だっていって!」とグザビエが叫びますが、エヴァは気を失ってしまいました。

そうだ、忘れてた。カテリーナはティアラを取り上げると、子供テーブルに近づいていき、ミア・ローザに話しかけます。サファイアを見せてくれる? 輝く青い宝石がユニコーンの額に紫色の接着剤でくっつけられていました。カテリーナはユニコーンからティアラに宝石を戻します。ごめんね、それは貴女のものじゃないのよ。おばさまに返してくれるかしら?というと、超一流のテレキネシスのミアローザはため息をつくと、ティアラはカテリーナの手からアローサのテーブルへと外科医の正確さで空気中を運ばれていきました。

エピローグ
結婚式は素晴らしいものになりました。シーライトティアラを身に着けたネバダはプリンセスのように美しく、タキシードを着たローガンはどこまでいっても彼そのもの。テキサスの魔法をもつエリート一族が集合しました。ヘラルドの記者はネバダのライラックのブーケのことを、死んでも欲しい品と投稿し、富と権力は色の問題はかき消してしまうようです。グザビエたち問題のある親戚たちには結婚式の招待が取り消さられ、西翼の泊り客のなかで出席したのはツォリオン一家とアンのカップルだけでした。披露宴が始まると、カテリーナは無名である心地よさを感じながら、リベラたちとキッチンに入り込み、準備をしたり皿を運んだりしているスタッフたちのなかに中年女性をみつけます。「ケリー・ウォラー?」一瞬女性の眼にパニックが浮かびますが、カテリーナはすでに魔力の釣り針を彼女の中に放っていました。銃をよこしなさい、というと彼女は従い、彼女とジェレミーを装甲車へ送り込み、彼女の問題は静かに解決しました。ローガンとネバダに時間ができたときに見てもらえたらいい、とメールで報告を送りましたが、これがカテリーナからの結婚プレゼントになりそうです。ネバダとローガンは光輝く会場でダンスを踊っていて、まるでお伽話のようです。幸福感が彼女を輝かせています。長年、自分たちの面倒をみてくれたネバダ、世界中の幸せを得る権利があります。

カテリーナは泣きたくなり、ふらふらとアローサの書斎へとやってきました。車輪の音がしてアローサがやってきます。「ありがとうと言いたくてあなたを探していたの、若いあなたには難しい仕事をおねがいしてしまったわ。こんなに難しいとわかっていたらあなたにお願いしなかったんだけれど。みんなあなたを誇りに思っているのに、肝心のあなたは沈んだ様子ね?」 カテリーナは「自分の場所はここでない気がします、昔はだれも私が超一流だなんて知らなかったし、無名でいられたけれど、一家となった今は違います。私の魔力には代償があるので、本来は最後の手段として使うべきものなんです。私は超一流としてどう魔力と付き合ったらよいのか。私は私自身でいることはしっていますが、超一流にどうなったらよいのかわからないんです。溺れてしまいそう。教えてくれる人は誰もいないんです。」「それは違うわ、あなた。私がいるじゃない。私は何はなくても時間はあるわ。まずはフェンシングから始めましょう。」(終)


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